「地域別焼き物の産地」のトップページです。 各産地の焼き物は、下の表または左欄「産地サブ・メニュー」から移動します。
全国の産地の概要を県別に「沖縄県」から「北海道」の順で紹介しています
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・”県” : 焼き物がある都道府県
・”焼き物” : 焼き物の総称
・国の伝統的工芸品に指定されている焼き物 :【伝統的工芸品】と表示
・鎌倉時代から発展した六古窯 :【六古窯】と表示
・江戸時代初期の大名茶人である小堀遠州が好んだ茶陶産地 :【遠州七窯】と表示
・特別な指定・認定がある焼き物 :【重要無形文化財保持団体】などと表示
・”場所” : 焼き物がある都市等を表記しますが、広域の産地の場合は、代表的な場所を表記します。
・”特徴” : 産地の特徴など紹介します。
・”産地の様子”: 産地の雰囲気を写真を紹介します。
九州・沖縄の焼き物 | 四国の焼き物 | 中国の焼き物 | 近畿の焼き物 |
東海の焼き物 | 信越・北陸のき物 | 関東の焼き物 | 北海道・東北の焼き物 |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
佐賀 |
伊万里・有田焼 【伝統的工芸品】 |
伊万里市 有田町 |
16世紀末期に文禄・慶長の役(俗称、やきもの戦争)で連れ帰られた李参平によって基礎が築かれた。江戸時代に海外への磁器の輸出港であった伊万里の名が付けられた。当時、隣接する産地の一つである有田町で生産されるやきものが有田焼であり全国磁器生産の代表的な産地となっている。 (大川内の秘境) |
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佐賀 | 唐津焼 【伝統的工芸品】 |
唐津市 武雄市 |
始まりは、朝鮮の役よりも古いとされるが、今の唐津焼の基礎は、沢山の朝鮮陶工の技術により築かれた。特に、陶器の茶器は、茶道の発展と共に評価され、俗に、「一楽二萩三唐津」として親しまれた。江戸時代には、東の「せともの」西の「からつもの」と云われた。(唐津駅付近のアルピノの展示場) |
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長崎 | 三川内焼 【伝統的工芸品】 |
佐世保市 | 朝鮮陶工により開窯され、その後、平戸藩の御用窯となり栄えた。江戸時代には、伊万里港から伊万里焼として輸出された。良質な天草陶石を原料とた磁器に染付された「唐子絵」が有名。(三川内焼の里にある陶板案内) |
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長崎 | 波佐見焼 【伝統的工芸品】 |
波佐見町 | 大村藩主により連れ帰られた李祐慶により開窯された。当初や、陶器が焼かれていたが、染付や青白磁が主流となってきた。特に、大阪で使われた「くらわんか碗」が有名。出島から輸出された酒用の「コンプラ瓶」は、欧州で愛用された。(陶芸の里での波佐見陶器まつり) |
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福岡 | 小石原焼 【伝統的工芸品】 |
東峰村 | 江戸初期に黒田藩主が肥前伊万里の陶工を招いて磁器を伝えたのが始まりとされます。この地区にあった高取焼との交流で生まれた中野焼が近年小石原焼と呼ばれるようになりました。民芸運動の中で評価を受けて生活に役立つ「用の美」を追求しているやきものです。(伝統産業会館にある案内版) |
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福岡 | 上野焼 【伝統的工芸品】 【遠州七窯】 |
赤池町 | 桃山時代の末期に茶人大名だった細川忠興は、唐津から帰化した朝鮮陶工の尊楷を招き焼き物を焼いた。 細川家の肥後移封により尊楷も肥後に移り高田焼を興すが、三男が上野焼を発展させた。現在、26軒程の窯元が伝統を守っています。(展示販売の交流会館上野焼陶芸館) |
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大分 | 小鹿田焼 【重要無形文化財保持団体】 |
日田市 | 鹿田焼(おんたやき)は、福岡県との県境にある大分県にある山間の集落で焼かれています。 江戸時代中期に筑前の小石原焼(現在の福岡県小石原村)の陶工・柳瀬三右衛門が当地に招かれ、開窯したとされています。 それ以来、十軒の窯元が一子相伝で家内労働的に焼き物を焼き始めましたが、そのスタイルは現在まで続いており他の窯里とは、一味違う雰囲気を持っています。 その伝統技法と作風は、昭和初期の「民芸運動」の指導者・柳宗悦から高い評価を得ました。 平成7
年には、国の重要無形文化財保持団体の指定を受けました。 最近、「小鹿田焼陶芸館」が新築され小鹿田焼のことを詳しく知ることができます。集落の谷川の水を利用した陶土をつく唐臼(からうす)のリズムカルな音は、懐かしい日本の原風景を想わせます。 この風景は、「残したい日本の音風景百選」にも選ばれています。 |
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熊本 | 小岱焼 【伝統的工芸品】 |
荒尾市 | 細川家の肥後転封に伴い、上野で作陶していた陶工が小岱山麓で開窯したのが始まりと云われる。実用性も高く、別名を五徳焼とも云われ、ものが腐食しない等の五徳があると云われます。現在12程の窯元が産地を形成しています。 (小岱焼しろ平窯の展示販売所) |
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熊本 | 天草陶磁器 【伝統的工芸品】 |
本渡市 | 江戸時代初期に天草島で産出される天草陶石と陶土で焼き物が焼かれたのが始まりです。天草陶石は、平賀源内は、「天下無双の上品」と称賛しているそうです。 尾張瀬戸の陶工加藤民吉が、この地で修業し、のちに、「せともの」の発展に貢献したため「瀬戸焼発祥の地」と云われます。 |
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鹿児島 |
薩摩焼 【伝統的工芸品】 |
鹿児島市 日置市 |
16世紀末期に文禄・慶長の役で島津義弘に連れてこられた多数の朝鮮陶工により開窯された。薩摩焼は、多様で三系統があります。苗代川系(美山)、龍門司系、竪野系で様々な表情があります。苗代川系では、献上品としての「白もん」と下手物と云われる「黒もん」が有名です。(美山の窯元案内) |
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沖縄 | 壺屋焼 【伝統的工芸品】 |
那覇市 | 起源は、15世紀末まで遡るとされます。中国、朝鮮、南蛮、薩摩などの技法が融合し生まれましたので、独特な異国風の雰囲気を持っています。無釉で焼締めしたアラヤチ(荒焼)と施釉のジョーヤチ(上焼)があります。(窯元が集まるヤチムン通りの案内) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
徳島 |
大谷焼 【伝統的工芸品】 |
鳴門市 |
四国お編路の一番札所に近いところに窯元が集まっています。江戸時代中期に徳島藩が磁器生産を始めましたが、その後、信楽の陶工を招き陶器へと転換しました。近代、大きな甕の生産で有名となりましたが、「寝轆轤」と呼ばれる一人が横になり轆轤を回し一人が成形するユニークな技術が特徴の一つです。 |
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愛媛 | 砥部焼 【伝統的工芸品】 |
砥部市 | 松山市の南に位置する磁器の焼き物ですが、砥石の産地として古くから知られている土地でもある。江戸時代中期に砥石採集の時にでる砥石くずを利用して磁器を焼くようになった。 やや厚手の堅牢な磁器が特徴。(伝統的会館前の砥部焼まつり) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
島根 |
石見焼 【伝統的工芸品】 |
江津市 浜田市 |
18世紀中期頃から良質な陶土を使い大物の甕などを作り江戸後期には、北前船で北陸から九州まで広く流通していた。 世界遺産の石見銀山にも近く素朴で懐かしい雰囲気のある焼き物。(江津市にある地場産業センター内の展示場) |
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岡山 | 備前焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
備前市 | 土と炎が作る胡麻、牡丹餅、緋だすきなど自然の景色が、特徴のである無釉の焼締め陶器。平安時代には、すでに焼かれたとされているが、鎌倉時代に本格的に発展した。高価な茶陶から日用品まで幅広い品揃えに人気があります。(備前焼の中心地の伊部) |
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山口 | 萩焼 【伝統的工芸品】 |
萩市 | 16世紀末期に文禄・慶長の役に毛利輝元が連れ帰った朝鮮陶工の李勺光によって開窯した。 御用窯として茶陶器が中心で、「一楽二萩三唐津」とされた。低温焼成のため、表面の細かいひびの貫入が特徴で長く使っていると色合いが変化するのも面白さ。これは、「萩の七化け」と云われる。 (毎年開催され萩焼まつり) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
滋賀 |
信楽焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
甲賀市 | 起源は、奈良時代の聖武天皇の紫香楽宮の瓦焼と云われています。鎌倉初期には、常滑焼の影響を受けて壺や甕が焼かれましたが、室町末期には、長石粒が吹きだした雑器が珍重されました。詫び茶の道具として茶人好みの野趣に富む焼締めのが脚光を浴びました。 (滋賀県立陶芸の森での陶器市) |
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京都 | 京・清水焼 【伝統的工芸品】 |
京都市 | 京は、陶器もあれば磁器もあり多様な技法があります。昔の都として各地の焼き物の要素を取り入れながら発展してきたためです。桃山時代に茶の湯が発展していく中で始まったとされます。 現在、京都の市内や郊外の窯元で焼かれています。別名、清水焼とも呼ばれます。(五条坂の陶器まつり) |
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兵庫 | 丹波焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
篠山市 | 起源は、平安末期から鎌倉初期にかけてと云われます。江戸時代には、赤土部釉などが開発され自然に掛かった灰釉が創り出す窯変の焼き物が作られましたが、背景には、背の低い連房式登り窯「蛇窯」と蹴ろくろのの発展があると云われます。(立杭の窯元の焼き物が楽しめる窯元横丁) |
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兵庫 | 出石焼 【伝統的工芸品】 |
豊岡市 | 起源は、かなり古いようですが、江戸中期に陶石が発見されお庭焼として磁器が焼かれました。純白の素地に繊細な彫刻を施した装飾が特徴です。(但馬の小京都と呼ばれる出石のシンボル辰鼓楼) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
愛知 |
瀬戸焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
瀬戸市 | 瀬戸焼の起源は、奈良時代の猿投窯の須惠器であるが、鎌倉時代には、全盛期をむかえるものの、現在の技法は、江戸時代に確立する。六古窯の中で唯一の施釉陶器である。厳密には、赤津地区の赤津焼が伝統工芸品の指定となっている。東日本では、瀬戸焼が「せともの」として焼き物の代名詞にもなっている。(赤津焼会館の展示場) |
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愛知 | 常滑焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
常滑市 | 平安時代末期に始まった焼き物であるが、鉄分を含む陶土を使った無釉の焼き物として発展。室町時代には、海路で現在の秋田県から種子島迄広範囲に流通した。各地の陶業発展に多大な影響を及ぼしたと云われる。(常滑の「やきものの散歩道」にある「土管坂」) |
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岐阜 | 美濃焼 【伝統的工芸品】 |
土岐市 | 起源は、平安時代後期まで遡る。瀬戸と共に窯場として知られていたが、戦国時代に織田信長の美濃平定後に大量の陶工が瀬戸から美濃に移動し技法が格段に進んだとされる。茶の湯が盛んになると美濃焼は、高い評価を受ける。現在は、焼き物が広範囲で作られ日本最大の産地を形成している。(市ノ倉にある「さかすき会館」) |
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三重 | 萬古焼 【伝統的工芸品】 |
四日市市 | 江戸時代中期に桑名の豪商が窯を開いたのが始まり。焼かれたものが、永遠に残ることを願い「萬古」の銘を付けたことから萬古焼と名付けられた。時代とともに変化を続け、現在は、紫泥の急須が有名。(四日市の萬古まつり) |
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三重 | 伊賀焼 【伝統的工芸品】 |
伊賀市 | 山を越えれば信楽で同じ陶土で似たような焼き物であるが、桃山時代の茶の湯の発展とともに、独特の美意識の意図的な「ゆがみ」、「へこみ」が高い評価を受けた。ビードロ、焦げ、火色などの窯変は、特徴であり魅力となっている。(丸柱にある「伝統産業会館」) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
石川 |
九谷焼 【伝統的工芸品】 |
能美市 | 江戸時代初期に加賀藩の命により肥前(現佐賀県)で技術を習得し開窯されたのが始まりとされる。その後、京・清水焼などの影響を受けながら、加賀百万石の文化を背景として年代ごとに独特な技法、意匠が発展した。(九谷茶碗まつり) |
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福井 | 越前焼 【伝統的工芸品】 【六古窯】 |
丹生郡 | 起源は、奈良時代の須惠器に遡る。無釉の焼締めが基本であるが、平安時代初期には灰釉陶器が生産された。江戸時代中期以降、衰退するが、近年越前陶芸村が建設され復興が進んでいる。(越前陶芸村での越前陶芸祭り) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
茨城 |
笠間焼 【伝統的工芸品】 |
笠間市 | 関東での最も古い窯里。 江戸時代中期に信楽の陶工・長右衛門が招へいされ開窯されたと云われる。自由な雰囲気の窯里で「特徴が無いのが特徴」と云われるほど、多種多様の焼き物があります。(やきもの通りにある笠間焼共販センター) |
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栃木 | 益子焼 【伝統的工芸品】 |
益子町 | 江戸時代末期に笠間で修業した大塚啓三郎が開窯した云われる。日用の雑器の生産で発展したが、後に人間国宝となった濱田庄司が移り住み「用の美」を目指す「民芸運動」の拠点の一つとなった。関東での最も大きな窯里。(陶器市の会場の一つ共販センター広場) |
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県 | 焼き物 | 場 所 | 特 徴 | 産地の様子 |
福島 |
大堀相馬焼 【伝統的工芸品】 |
浪江町 | 江戸時代初期に陶土が発見されたのを機に焼き物が始まったが、藩の育成策もあり発展する。厳密には、藩窯系の相馬駒焼と民窯系の大堀相馬焼がある。藩の家紋から付けられたとされる「走り駒」紋、貫入の「青ひび」、二重構造の「二重焼」が特徴。3.11東日本大震災の影響で里は閉鎖されている。(陶芸の杜おおぼり) 【現在、原発事故の影響で、この展示・販売所は、閉鎖されています。福島県二本松市に仮展示・販売所が開設されています。】 |
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福島 | 会津本郷焼 【伝統的工芸品】 |
会津本郷町 | 安土・桃山時代末期に、蒲生氏郷が鶴ケ城の瓦を焼いたのが起源とされ、東北最古の焼き物である。。瀬戸の陶工や伊万里の影響を受けたので、陶器と磁器を焼く産地となった。現在も、会津本郷町の瀬戸町通りの周辺に窯元が集まっている。(夏の風物詩せと市) |
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